父親の顔に似なくてよかった、と言われた日

先日、3人の息子の中で、たぶん一番かわいがっている息子から言われました。
「お父さんの顔に似なくてよかったー」

おいおい。本人を目の前にして、なかなか言うじゃない。
そこで私も、すかさず言い返します。

「そうか。お前は俺と違って、顔はよくないし、走るのも遅い。」
「スポーツも上手くないし、歌も下手。芸術の心もない。モテることもないだろう。」
「だったら、せめて勉強ぐらいしろよ。ほかに何があるんだ」

すると、息子も負けていません。

「わかった。心から『頭脳もお父さんに似なくてよかった』と言えるように、勉強も頑張る」
なかなかの返しです。 そこまで言うなら、ぜひ頑張ってもらいたい(笑)

文字にすると、ひどい父親に見えますよね。
普段、息子たちを面と向かって褒めることはあまりありませんが、この子にも私にはない良さがたくさんあります。
例えば、友達が多いのは、性格まで私に似なかったおかげかもしれません。
ただ、「せめて勉強ぐらいしろ」という言葉には、私なりの本音もあります。
顔立ちや運動神経は、自分で選べません。でも、今日、机に向かうかどうか。わからなかった問題をもう一度考えるかどうか。それは自分で決められます。

塾の相談会でも「自分には才能がない」と言う生徒がいます。その気持ちは分かります。
でも、できない理由を才能だけで片づけるのは、少し早い。覚えるまで繰り返したか。どこで間違えたのかを理解し、確かめたか。まずは、そこからです。
反対に、成績がよくても、才能があっても、何もしなければ力は伸びません。持っている良さを生かせるかどうかは、毎日の行動で決まります。
息子に伝えたかったのも、ただ「点数を取れ」ということではありません。自分の良さを生かしたいなら、自分で頑張れるところで手を抜くな、ということです。

それにしても、年を重ねた父親に向かって「似なくてよかった」と言ってくるとは。
(私は自分のことを、なかなか素敵な男になってきたと思っているのですが……)

まあ、傷や失敗の多い我が人生です。
そんな私の顔に「似なくてよかった」と言うのなら、それでも結構。

私とは違って大きな道や世界に挑戦したり、そのプロセスで人生を楽しんでいってくれたら、親としてうれしい。
ただどんな道を進んでも、努力は惜しまないでほしい。
その部分くらいは、私に似てくれてもいいんじゃないかなー

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